東京大学と日本電信電話株式会社(以下、NTT)が開設した「サステナブルウェルビーイング社会連携講座」では、自然物や人工物、さらにそれらを包摂する自然環境や情報環境の中で持続的に、共によりよく生きるためのあり方を探求する共同研究、及び人材育成に取り組みます。ここでは人間中心の枠組みを超え、テクノロジーやサービスのデザイン、またアート表現など多様な視点から実践的研究を展開し、また、人材育成の取り組みを通じて産学を超えたコミュニティの創成をめざします。
名称
サステナブルウェルビーイング社会連携講座(和文)
Sustainable Well-being Social Collaboration Initiative(英文)
設置期間
2024年12月1日~2027年11月30日(3年間)
設置機関
国立大学法人東京大学 大学院情報学環
担当教員
筧康明(情報学環教授)
苗村健(情報学環教授)
高木聡一郎(情報学環教授)
黒木真理(情報学環准教授)
澁谷遊野(情報学環准教授)他
連携機関
日本電信電話株式会社(NTT)
人間が、自然環境や情報環境の中で、他の生物やAIとともに、リソースを共有しながら豊かに生きられる「人間・情報・自然がつながりあうリジェネラティブ社会」の要件(概念、機能モデル、評価方法等)を、思考実験、プロトタイピング、フィールド実証を通じて構築します。具体的には、以下のようなテーマを中心に共同研究を進めます。
1. 《自然》(と)のウェルビーイング
気候変動や生態系の変化を踏まえ、人間中心の考え方を超え、自然環境のウェルビーイングを探求し、人間と自然が持続的によい関係を築くための関わり方やライフスタイルを実践的にデザインします。
2. 《モア・ザン・ヒューマン》と関わりあう
データの可視化や物理化、AR(拡張現実)技術などを活用し、自然生態系や情報生態系における人間とは異なる存在(動植物、モノ、AI、コンピュータウイルス、ロボットなど)との関係を構築し、気づきや理解・共在に導く方法論を探求します。
3. 持続可能なエコノミーとコミュニティ
分散型台帳技術などを活用し、多様なステークホルダーがリソース(例えば、ネットワーク、電力、素材、水、社会関係、文化、記憶)を効率よく共有・継承しながら、個人にも社会にも利する新しい経済システムの形を提案します。
4. サステナブルウェルビーイング評価指標の開発
人間のウェルビーイングだけでなく、自然生態系や情報生態系を含めた関わりにおける、新たな評価指標を提案します。
さらに本講座では、研究成果を社会に還元し、さらなる共創メンバーを募るために、レクチャーシリーズやワークショップを外部へも開いていきます。また、本講座のフレームワークを社会の中で実践できる人材のコンピテンシー(資質・能力)を明らかにし、その人材を育成していきます。